ツグカモTALK

地方の御曹司のリアル

この春新卒入社をした、二人の”地方の御曹司”
祖父、父と続く会社を「継ぐ」と決意するまでには、
彼らなりの「葛藤」があったはず

今回の対談では、
同じく家業を持ち進路に悩むツグムくんが、
二人のリアルに迫ります


– PEOPLE –

聞き手

ツグムくん

家業を継ぐかもしれない、大学3年生。
将来やりたいことも特にないれけど、「継ぐ」にもなんだか乗り気になれない。
親から将来の話を振られると、口をつぐみたくなる、ツグムくん。
(好きな食べ物:つくね)

話し手

ばばちゃん

現大学4年生、2020年4月から社会人1年生。
九州出身で、大学から東京へ。
実家の家業を継ぐと決めて、それを踏まえたキャリアを歩み出そうとしている。
(好きな食べ物:スイカ)

うっちー

現大学4年生、2020年4月から社会人1年生。
九州出身で、大学から東京へ。
現社長の父の年齢を考えると、今すぐから事業承継に向けて、できることを始めたいと思っている。
(好きな食べ物:(ファミマの)オレンジジュースとカツオのたたき)


01

– 二人の共通点 –

いきなりですが、
お二人は地方の”御曹司”と聞きましたが、
本当ですか?

(苦笑)

ちょっといきなりすぎました(笑)
すいません。
でも地方の名のしれた企業が家業と伺いました!
お二人の「家業」、さくっと教えてください!

父が3代目で、大手自動車メーカーの販売を中心に事業を展開しています。
従業員は、関連会社含めて250名ほどです。

僕も、父が4代目で、大手自動車メーカーの販売を中心に事業を展開しています。
保険、通信、建設などの関連事業も。
従業員は、関連会社含めて250名ほどです。

・・・!
ちなみにご出身は…?

九州です。
しかも同い年で、大学も同じ。
今後の進路の方向性も同じなんです。

つまり、ほぼ同じ家業をもつ九州男児ということですね。
こんなに同じ境遇の人っているんですね。

はい、僕もびっくりです(笑)。
元々、親同士が同業つながりで知り合いで、自分と同い年くらいの子がいるということは知っていました。大学2年生の時に、実は同じ大学にいる!ってことが判明して、連絡を取り合ったのが出会いでした。

アツトギならではの悩みもあるので、身近に同じ境遇の人がいると、心強いですよ。

02

– 「継ぐカモ」意識の芽生え –

アツトギならではの悩み…ですか。
僕も家業があるので、詳しく聞いてみたいです!
お二人は、家業を継ぐことを意識し始めたのはいつ頃だったんですか?

幼い頃から家業について両親からよく話を聞いていたので、私にとって家業はとても身近な存在でした。

中学の頃に会社の関係者との関わりが出始め、その中で家族も周りの大人も僕をアツトギとして見ているんだろうな、となんとなく感じていました。

僕は家と会社の距離が離れていたこともあって、家業は全然身近じゃなかったんです。
両親からも家業について話されたことは無かったし。

唯一、小学校の時に洗車を手伝わされて、
なんだこの仕事つまらない!
って思った記憶はあるかな(笑)。

でも僕も、地域のお祭りとかで、周りの大人からの「アツトギプレッシャー」みたいなものはひしひしと感じていました。

お二人とも、幼い頃の家業との関わり具合は違えど、周りの大人からのプレッシャーを感じていたことは共通していたんですね。地方の御曹司あるある、という感じがしますね!

03

-「継ぐ」決意の時 –

“ばばちゃん”さんは、幼い頃は家業に対してあまり良いイメージが無かったようですが、いつ「継ごう」と思ったんですか?

高校生の進路選択の時に、家業とは別のことをやりたいと親に話したら猛反対されて。
そこで初めて「ああ、継がなきゃいけないんだ」って思いました。

猛反対ですか…。
自分から前向きに「継ごう」と思ったわけではなかったんですね。

親の勧めに従う形で大学に進学したので、入学当初は、レールに敷かれた道を進むのは嫌だなとモヤモヤしながら過ごしていました。

大学1年生の時、祖父の引退のタイミングで、祖父が長い間病気を抱えながら会社のために働いてきたことを知って。そこまでして祖父が守ってきた大切なものを、僕が絶やしてはいけないのではないか、「継ぐ」べきなのではないか、、、と。そんな気持ちが徐々に芽生えていきました。

そして大学3年の春頃には、気持ちが固まりはじめて、、、「継ぐこと」を念頭におき、ゼミ選びをしました。
ゼミの活動を通じて、物事を多面的に見れるようになったことで、「継ぐ」という決断ができたのかな。

おじいさんの姿やゼミでの活動などを通じて、徐々に「継ぐ」という決意をしていったんですね。

“うっちー”さんは、家業を継ぐことへの「葛藤」みたいなものは無かったんですか?

「葛藤」、ありましたよ。
母が地元のテレビ局のアナウンサーで、自分も声を扱う仕事がしてみたいという想いがあったので、元々はアナウンサーの仕事に興味があったんです。

“うっちー”さんも初めは別の夢があったんですね。
そこからどうして家業を継ぐ決心がついたのでしょう…?

高校時代から、家族との会話の積み重ねの中で、「家業に関わる従業員の方やその家族の生活を守っていかなければ」、「祖父や父が繋いできたものや街の人からの期待を未来につないでいかなければ」という意識はずっと持っていました。

踏ん切りがついたのは大学3年生の時です。
家業と同系列の会社に1ヶ月インターンをして、家業がどんな仕事なのかを現場で学んだんです。そこで、自動車の営業はお客さんとの関わりが濃いということを肌で感じて、この仕事なら面白い、継いでみたい!と思えたんです。

なるほど。やってみたいことは別にありながらも、家業のバトンを繋いでいかないと、という使命感もあったんですね。

僕も自分が家業を継がなかったらどうなるんだろう、と考える瞬間はありますが…決断するには勇気がいりますよね。

04

– 決断を支える周りの存在 –

ちなみにお二人は同じ境遇という事で、キャリアについての相談や悩みの共有もできますよね。
他にはどんな人に相談をしましたか?

まずは親ですね。友達は少数でした。
家業があると、「継ぐ仕事があって羨ましい」と思われることもあって、なかなか悩みやプレッシャーを打ち明けることはできず…。
その点、うっちーのように同じ境遇にある人の存在は心強いです。

悩みやプレッシャーとは?

家業を継ぐことの「責任の重さ」や、自分の代でつぶしてしまったら、という「恐怖心」です。
あとは、自分はあまり先頭に立って皆を率いるタイプではないので、経営者に向いているんだろうか?という不安もありました。それに対しては、大学で所属しているゼミの教授から「引っ張ることが全てではない、君の強みでできることがある」と背中を押してもらいました。

確かに、会社を経営するというのは責任が重いですし、まず何をすべきかも分からないですよね。
アツトギ同士のネットワークみたいなものはあるんですか?

なかなか無いです。
父には経営者間のネットワークがあって、その中で息子をアツトギに…という繋がりはあるんですが、自分からできた繋がりは、無いかな。

なるほど。僕もそうですが、アツトギ同士で繋がって情報交換ができようになると良いですよね。

そうですね!

05

– 二人のこれから

最後に、今後のキャリアや展望について聞かせて下さい!

まずは系列の自動車ディーラーで営業を経験したのち、自動車メーカーでの仕事も経験するつもりです。
そしていずれは、地元の発展に貢献したい、という想いがあります。
会社を持続していくことも一つの地域貢献かもしれませんが、植林やサッカーチームのスポンサーなど、地域との繋がりを大事にしていきたいです。

僕もまずは系列の自動車メーカーに入社して、数年後には実家の仕事に就く予定で、同じく将来的には地域貢献を、という想いがあります。
会社を経営することで、地域に雇用を生み出すことも一つですし、自動運転やシェリングエコノミーの拡がりによって自動車業界が変動していく中で、自動車というリソースを行政や観光と結びつけて地元の発展に寄与できたら、という展望もあります。

地域に根付く事業で地域に貢献していくという事ですね、素敵です!
僕の今後のキャリアを考えるにあたっても、とても参考になりました。
ありがとうございました!

ありがとうございました!